水不足は、降雨量が非常に少ない時に起こります。
整備された水道水や昔ながらの井戸、豊富な河川のイメージから、日本は水不足とは無縁の国だと考えている方も多いと思われますが、実際は日本の各地が水不足に悩まされることも珍しくありません。
日本は水不足なの?
日本には梅雨があり、比較的降水量の多い国です。
世界平均と比べると、日本の年間平均降雨量は約1.6倍におよびます。
一方で、日本の河川の多くが急勾配になっており、短時間で海に流れ出てしまうため、水の確保量は少ない現状があります。
生活で実際に使用できる水の量は、人口一人あたり世界平均のおよそ45%程度になります。
世界の水不足の原因
・気候変動の影響
地球温暖化などの気候変動は、水不足の間接的な原因にもなっています。
干ばつや洪水の発生は、水資源に大きな影響を与えるためです。
洪水は水資源の増加につながるように考えられますが、実は地下水の塩水化、水質の悪化など、被害にあった地域の水は使用できなくなるケースがほとんどです。
気候変動によって水資源の減少が引き起こされることで、世界的な水不足のリスクが高まります。
世界で起こる水不足の影響は、日本にもおよびます。日本では食料の多くを輸入に頼っています。
今後、水不足によって世界の食糧生産量が落ち込んでしまえば、日本で食糧危機が起きるかもしれません。
・世界人口の増加
世界各地で人口が増加すれば、必要な生活用水の量も増えます。
国連によると世界の人口は2015年時点で73億人ですが、2050年には97億人に増加すると予測されています。
このまま人口増加が続けば、2050年までに少なくとも4人に1人は慢性的な水不足が起きている国で暮らすことになるとの指摘もあります。
・経済の発展と都市開発
経済の発展および都市開発は、多くの水資源を必要とします。
たとえば科学技術の発展による生活水準の向上は、これまでとは異なる用途や分野での水資源が求められるでしょう。
都市開発は、建材などの生産に使用される工業用水の増加だけではなく、森林伐採による水源破壊も起こります。